- オンラインカジノ(オンカジ)での借金は自己破産できるのか
- 借金返済と自己破産のメリット・デメリット
- オンラインカジノでの自己破産の実例も紹介
オンラインカジノ(オンカジ)は、ゲーミングライセンスを取得し政府の許可を受けて運営されている立派なサービスです。
しかしギャンブルである以上、資金がマイナスになるケースも当然発生します。
日本では依然から「ギャンブル依存症」が社会問題として騒がれていますが、許容範囲を超えのめりこんでしまうと借金を抱えてしまう場合もあるでしょう。
そこで気になるのは、オンカジで抱えた借金が自己破産ができるかどうか。
自己破産ができたとしても、その手順はもちろん「デメリット」や「今後の生活に制限がでないのか」など気になる部分も多いと思いますので、今回の記事ではそういった疑問について徹底解説したいと思います。
オンラインカジノで借金を抱えた方、もしくは近しい方がその状況で情報をお探しの方はぜひ参考にされてください。
オンカジの借金は自己破産が可能【実例アリ】
結論からお伝えすると、オンラインカジノ(オンカジ)で膨らんだ借金は、自己破産が可能です。
具体的にどのような手順で自己破産ができるのかは後述するとして、この事例ではオンカジで抱えた500万円程の借金が、最終的には0にできたというのですから驚きです。
オンラインカジノでつくった借金が、自己破産で免責された事例
オンラインカジノで、総額500万円もの借金をつくってしまったとのことで、当事務所にご相談いただきました。
依頼者様には、特に目立った財産はありませんでした。
ご自身がギャンブル依存症だと認め、家族の支えもありながら、病院に行ってギャンブル依存症の治療を受けていました。
弁護士が、破産の申立てを行ったうえで、債権者集会に同席しました。
特に、依頼者様はギャンブル依存症の治療を行っており、深く反省し、今後はギャンブルをせず借金をしないことを強調して主張しました。
無事に破産の免責が認められ、借金を0にすることができました。
引用元:桑原法律事務所コラム
借金を抱えると頭が借金一色になって何もできなくなります、人生の再スタートできるチャンスをもらえたのであれば良かったと私は思いました。
ただ、もちろん「借金を抱えたらとりあえず自己破産すればいい」という考えは控えてください。
自己破産で借金は0にできたとしても、他に失うものがあることもまた事実。それに情状酌量の予知なし、悪意ある借金とみなされればそもそも自己破産や債務整理する権利すらなくなります。
オンラインカジノの借金を自己破産するメリット・デメリット
まずはデメリットについて触れます。
これはオンカジに限った話ではなく、自己破産を行った場合に共通するデメリットにもなりますが、自己破産を行うと「個人信用情報」にその事実が記録されます。
これにより、クレジットカードの新規契約や更新、住宅ローンやマイカーローンなどの借入はできなくなります。
賃貸の契約も保証会社によっては信用情報を確認されるケースも。
そうなると思うように引っ越しができなくなるなど、生活に制限が掛かってしまいます。
より身近なところでいえば、スマートフォン本体の分割払いも、同じくローン扱いなのでできません。(一括で買うことはできますが)
こういった事情から、当然はありますが自己破産しないに越したことはありません。むしろ、大きな目的のない借金はしない方が懸命ですね。
また貴方の借金やローンに対しもし保証人がいる場合は、その保証人の方が立て替える義務が発生し、連絡も行くことになります。もしオンカジの費用を何らかの保証人を立てて借りている場合は、保証人にも事前に確認をした方が良いでしょう。
さて、借金を自己破産した際のデメリットを見てきたわけですが、とはいえ「すでに借金を抱えていて何もできない」「生活できない」のが一番良くありません。出口のない暗闇にいるようであれば、自己破産を視野に入れるべきですし、そのために国が用意した処置です。
メリットも当然たくさんあり、例えば自己破産をしても新たに財産を持つことは可能ですし、起業や投資も可能、精神的・金銭的な余裕を取り戻せば休日を楽しむこともできるようになるでしょう。それが見えれば、また日々を頑張れますよね。
「困ったら自己破産すれば良い」というマインドではなく、「自己破産したとしても、人生の終わりではない」と思い、定められたルールをうまく活用したい所です。
ただ、注意したいのは自己破産するにも、自分だけの判断ではできないということ。
誰もが自己破産で簡単に借金0という訳にはいきません、あくまで自己破産の判断をするのは裁判官です。
繰り返しますが、オンラインカジノやギャンブルで抱えた借金は自己破産可能です。そのための基本の考えをここまで見てきましたが、ここからは具体的な手順を解説していきましょう。
オンラインカジノの自己破産のやり方・条件
あくまで一例なので、この手順が全てではありませんが参考になると思います。
条件および手順は以下の通りです。
- 法律事務所に相談
- 破産の申し立て(弁護士)
- 債権者集会の開催
- 免責が認められる
また、「ギャンブル依存症の認定を受けている」「治療を受けている」と手続きは進みやすくなります。
前提:自分だけで自己破産はできるのか
自己破産の話を進める際に、弁護士や専門家に相談するという話を聞くと以下のような意見を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「お金がないから自己破産をするのに、弁護士報酬なんて払えない。」
要は自分だけで自己破産できないのか、という疑問ですね。
結論を言えば自分だけでも自己破産はできますが、しかし用意する書類や専門的な準備・手間が多く、リスクも多いです。
特に借金で頭の中が埋め尽くされている時は、そういった作業に頭を割くことは困難です。弁護士に依頼するほうが得策でしょう。
もちろん、先立つものがないとご不安もあるかもしれませんが、自己破産や債務整理の初回相談は無料で行っている弁護士も多いですし、後払い・分割払いも対応していることがほとんど。
そして法テラスなどの機関を使えば、10万円以下で自己破産が可能な場合もあります。
諦める前に、まずはやはり法律事務所・弁護士に相談をしてみるべきです。
法律事務所・弁護士に相談
さて、弁護士に相談をする場合まず状況と経緯の説明を求められます。
もちろん、ギャンブルで負った借金であることや、日々の生活がどれほど逼迫しているかなどすべて嘘偽りなく事実を伝える必要があり、やはり抵抗がある場合もあるでしょうが、ここに虚偽が混じると後々不利になったり、自己破産ができなくなるので注意してください。
予算の話も当然し、支払いの段取りや金額、自己破産後の生活の話までしっかり行い、納得ができれば正式に依頼をしてください。
破産の申し立て
破産の申し立て手続きは、弁護士がやってくれます。
これは自己破産する上で必要な手続きであり、書類の用意や、直筆が必要な部分は弁護士から別途依頼されることがあるので、そこは協力をしましょう。
それがないと、手続き自体が滞ってしまう場合もあります。
債権者集会の開催
準備が整えば、裁判所にて債権者集会が開催されます。
債権者集会には、原則弁護士と共に出席することになり、出席するメンバーは以下の通り。
- あなた
- 弁護士
- 裁判官
- 債務者(借入先の人)
- 破産管財人(あなたの財産を処分換金できる人)
債権者をメンバーに書きましたが、債権者に出席義務はないので、実際にはいないことがあります。
破産管財人は、裁判所が「管財事件」に分類した時に選任されます。
なので、管財事件にならなければそもそも選任されないので、集会にはいません。
集会では、今後の方針を裁判官などに主張するわけですが、この部分は当然弁護士が代弁してくれます。
要は、深く反省し今後は同じ行為をしないことを伝え、それを認めてもらう事で自己破産が成立するということです。
それこそ記事中で「ギャンブル依存症の治療中であること」が証明できれば、なお有利に働くことになります。治療は更生の意思表示ですからね。
もちろん、治療が絶対条件ではありませんが、状況によっては自己破産ではなく利子の免除や借金減額に留まることもあります。
自己破産が希望ならば、集会時には治療していなくても、これから治療していく意思を示すことが重要です。
当たり前ですが、嘘の主張は通りませんのでご注意を。
自己破産・免責が認められる
債権者集会が1回もしくは数回行われた後、裁判官が免責を認めてくれます。
個人のギャンブルでの自己破産も決してレアなケースではありません、ただギャンブルの場合は主張を間違うと意見が通りにくい側面もあるので、しっかりと反省をし今後はそうならない事を誓うことが重要。
オンカジによる借金が自己破産できた際は、今後オンラインカジノのプレイは控えた方が良いでしょう。
オンカジで借金を抱えない・少ないするために
オンカジ(オンラインカジノ)で、借金を負うリスクを少なくするための考え・方法を記載します。
それは大枠で言うと以下の3点。
- オンラインカジノは基本負けるシステムだと知る
- 損益はあくまでトータルで計算することを忘れない
- 負けた額を取り戻す思考は危険
ひとつひとつ説明していきます。
オンラインカジノは基本負けるシステムだと知る
1つめは、オンラインカジノ(オンカジ)は基本負けるものだと知ることです。
それはあらゆるギャンブルやくじでも同じで、これは還元率といった言葉でも知られていますね。
- オンラインカジノ:約97%
- パチンコ・パチスロ:約85%
- 公営ギャンブル:約75%
- サッカーくじ:約50%
- 宝くじ:約45%
仮に還元率90%だとすると、100円を賭けて払い出されるお金の期待値は90円。大負けする人も大勝ちする人もいるのでこういった数字は普段見えにくいものの、結局は遊び続ければ必ず理論上は負けるという事です。
さきほどの還元率で言えば、逆の10%が運営の利益となります。利益がでなければ運営費が捻出できずつぶれてしまいますよね、よっていかなるギャンブルでも100%の還元率を超えることはないことを踏まえると、オンカジの還元率が高いことは理解できます。
オンカジの場合、一時的に勝っても更なる勝ちを求めて負けるまで勝負を続ける人も多く、本来の還元率以上に負けを味わっている人が多いのも、理解しておくべきポイント。
知っていれば深追いはしない、知らなければハマってしまう。
オンラインカジノ(オンカジ)は、基本負けるシステムだと知っておいてください。
損益はあくまでトータルで計算することを忘れない
2つめは、損益はトータルで計算するのを忘れないことです。
日を改めるとなぜかリセット思考になる人が多く、例えばオンカジで初回に-2万円、後日2回目は+1万円とすると計算したらトータルで-1万円です。
こんな当たり前の話ですが、賭け事となるとこの単純思考ができなくなります。
こんな思考だと、損失がどんどん膨らむ一方です。
収支の計算をしっかりつけ、月にいくら勝った・負けたかを把握できるようにしておくことが重要。
まずそもそも月に使っても良い予算をあらかじめ決めるのが最も良いでしょう。
負けた額を取り戻す思考は危険
3つめは、負けた額を取り戻す思考は危険だということです。
この思考だと破産するまで終わりがありません。
投資には「損切り」という言葉がありますよね、負けてはいるけどこれ以上負けないために今やめるという思考ですが、これは当然ギャンブルにも必要です。
- オンカジは還元率が高いから本来は大負けはしにくいが、その分ずるずる遊んでしまう
- 一回で高額を賭けることもできるため、熱くなってベット額が上がっていく
こういったパターンに陥りやすいので、自分のキャパの中で遊ぶ事が一番重要。
人は一度ためらうと、その後ズルズルとハマります。どうせやめるなら、もっと前にやめておけばよかった…今やめたら過去の損失がすべて無駄になり、逆に今勝てばすべて取り返せる…このように思考が働きます。
そして大負けする人は、過去に大勝ちした経験をもっている方が多く、勝てる時もあることを知っているからこそ起こる思想ともいえるでしょうし、これはかなり厄介です。
破産しないためにも、負けた額を取り戻す思考はやめましょう。
まとめ
今回はオンラインカジノ(オンカジ)での借金を自己破産できるのか、その手順例、そもそも借金をしないための考え方について執筆しました!
- オンラインカジノで膨らんだ借金は自己破産可能
- 自己破産は個人でも可能だが弁護士を立てるほうが自分のためにもなる
- 費用も分割や後払い・法テラスを活用するなどで相談ができる
- そもそも借金をしない考えをもってオンカジと付き合うのが重要
オンカジで膨らんだ借金は自己破産可能ですが、もちろん自己破産せずにオンカジを適度に遊ぶに越したことはありません。
ただ、もうすでに返せないほどの借金が膨らんで、日々の生活が立ち行かない状況であれば、今回の記事を参考に手続きを進めてみてください。
当サイトでは様々な観点からオンラインカジノを取り上げた記事を用意しておりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。